問2.日々我れ

すきなことをかく

読書会『痴人の愛』

 

痴人の愛 (新潮文庫)

痴人の愛 (新潮文庫)

 

 

-本

先日参加した読書会の課題図書が谷崎潤一郎痴人の愛』でした。

痴人の愛ってローマ字だとchijinnoaiってなるね、ちょっと面白い(なにが)。

とりあえず感想をば。

-読んでみて

初読。谷崎作品自体も初めてだった。大学のゼミで絶対領域を卒論テーマにした子が参考文献で『陰翳礼讃』をあげていたことは覚えている。

とにかく読みやすい。リズムがとてもよい。370ページぐらいだったけど、あっという間に終わってしまった。文豪とはこういう人のことなのではないかと思う。高校の便覧にも見開き2ページで載るわ。

読み始めてすぐ、ファム・ファタル(運命の女*1)の話なのだと思う。SM的な描写があるのかと期待して読んでいたがそういうわけでもなかった。

また文章としては高校生でも読めると思うけど、その描写の裏まで読むにはまだ早かったかもしれない。ナオミと男3人が一緒に寝るシーン、ナオミの男友達がナオミの寝相の悪さを指摘するところ*2とか。

主人公・譲治の妻となるナオミがすごく魔性の女で、周りの男どもをどんどん落としていくわけだけど、そのことに関してはそこまでイライラしなかった。ただ譲治のナオミ以外の女に対する描写がすごく腹が立つ。自分だって乱杭歯の小男のくせに。みたいに。

一方でナオミに対する視線のエロさはロラン・バルトを思い出させました。チラリズムというか分断のエロさ。

圧巻は最後のシーン。業の深さが目立つクライマックスでした。

-読書会を経て

参加して思いついたことをメモ程度に。

ファム・ファタルって結構すでにファム・ファタルとして登場することが多いと思うんだけど、ナオミはファム・ファタルとして開花している、そういうプロセスをたどる作品って意外と無いのでは。

『ロリータ』との比較。ロリータよりもっとねっとりした視線だと思う。ハンバート・ハンバートのほうが読んでて面白い。こっちはもっと切迫する感じ。

とりあえずこんな感じ。なんかほかにもあったけど、思い出したらまた書く。

痴人の愛 (新潮文庫)

痴人の愛 (新潮文庫)

 
痴人の愛 (中公文庫)

痴人の愛 (中公文庫)

 

 新潮版と中公版。値段は新潮の方が安いです。なんでだろ。

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