問2.日々我れ

すきなことをかく

解説する


【第2回】短編小説の集い 感想とまとめ - 短編小説の集い「のべらっくす」

感想ありがとうございました。毎回全作品に感想をつけておられるぜろすけ様には尊敬の一言です。

今回記事の中で、「作者の中で『実はこうだったんだ』という説明があれば読みたいです。」というお言葉を頂きましたので自分の作品に対する反省の意も込めて書いてみようと思いました。

しかし作者は自分の作品に解説をつけるということをしたことがなく照れや羞恥その他諸成分を含んでおりますので取り扱いにはご注意をという状態であり、単に説明するだけでは芸がないのではと申しておりますので、どうなるかわかりませんがかいてみます。

突然ですがみなさんはループものが好きですか?

ループものといえば、涼宮ハルヒエンドレスエイトとかまどまぎとか北村薫『ターン』、似たようなもので森見登美彦の『四畳半神話大系』、SFでも多くあるモチーフだし、ニーチェ永劫回帰だってループだと言ってしまいましょう。そもそも物語はさかのぼれば神話にたどり着きますが、そういうことであればプロメテウスの不死性もいわばループかもしれません*1。ループものは数限りなくあり、それだけ魅力的な構造をもつといえるでしょう。

話を戻して好みかどうかでいえばわたしはそれほど好きではありません。何回も何回も同じシチュエーションが続くし、いつになったらおわるのかとそればかりに気になってしまいます。

時間ループ物語論

時間ループ物語論

 

 以前なにかのきっかけで、それはおそらくループものの起源についての話からだったのですが、上記の本を読みました。こちらはループ構造の作品を分析し、最終的には現代社会とのつながりについて言及していたと思います。

上記の分析によればループものにも類型があって、基本的には主人公あるいはその周囲の人物が世界が一定の期間を繰り返すループに入り込んでしまっていることに気付きます。そこから出ようとする人物もいれば、その世界でやっていこうとする人物もいます。そんなこんなで物語が進んでいきます。

ループには終わりがなくて、それはたとえば星の運行のようにおなじところをぐるぐるぐるぐるしています。でも星はぐるぐるぐるぐるしているけど、そのことを意識はしてないじゃないですかたぶん。じゃあぐるぐるぐるぐるしていることに気づかないままぐるぐるぐるぐるするとどうなるのか。ぐるぐるぐるぐるしていることに気づかないということはある意味、ループに気づかずループを活きる当人にとって常に一回性を示唆しているのかもしれません。わたしたちは一回限りの人生として、いくつもの分岐点に来ては一回限りの選択をしているのかもしれませんが、わたしたちの人生はもう何万回も繰り返されているもので、しかも何億回もおなじ選択をしているとすれば。

このような発想に出会ったのは、私が中学生ぐらいの時で、それは知り合いの小さな劇団の公演のなかの「あなたは覚えていませんがわたしとあなたはもうすでに2万7568回は同じ会話をしているのです」と泥酔した主人公にどこからともなくあらわれたコロンボ刑事が語りかけるという奇妙なワンシーンです。

話がぐるぐるしてきた気がするのでちょっと休憩します。


【原西ギャグ】 ぐるぐるどっか~ん! - YouTube

休憩終わり。そしてこれは貼っていいものなのか。著作権的な意味で。

それで、一旦ループにハマるとちょっとやそっとずつの変化はあっても大きな変化はなくて、でも実はすごく変なところが分岐点の選択肢かもしれなくて、分岐だからって選んだAがバッド・エンドだったからって選ばなかったBがハッピーエンドだとは限らないし、ほんとうにバタフライ・エフェクトは存在するのか。

みたいなことを考えながら書いたら完全に構造にぐるぐる巻き込まれて負けた。

書いてて苦しかった。ご指摘の通りもうこれは完全に読者に丸投げになってしまいました。

ここで個人的な話を持ち出すのは心苦しいですが、理不尽で暴力性を含む話は結構好きです。暴力性というのは描写による物理的で身体的な痛みや被虐性というのではなくて、変態的なベクトルでいみわかんなくて虚構と現実の空白に投げ出されてしまう非常に強い力のことです。

居心地の悪い部屋

居心地の悪い部屋

 

 カフカ『変身』が代表的?なのかもしれないのですが、私がもしそういう話を読みたい、おすすめはなにかと聞かれれば上記のアンソロジーをおすすめします。

こちらには物理的で身体的な痛みを伴う話もあるのでご注意を。でもそれを圧倒的に上回る暴力性があって、めっちゃあわあわした。

話を戻して今回いくつかの感想の中で「同じ描写で不安がつのる」というお言葉をいただきましたが、個人的にはループ性にその不安や恐怖が内在しているのではないかと思う次第。でも今回の暴力性がもたらすカタルシスはちっちゃいと思う。

この構造であれば作中人物を置き去りにする以上ほんとはみなさんを徹底的に共犯に巻き込むべきであった。と思います*2

一通りの説明は終わりです。以上の話をいまきたでまとめると

  • ループ気付いてない主人公
  • 電波男で分岐
  • 片思い終止符エンド

というふうになります。いやならんか。

わたしの文体は基本テンション低めだから、ユーモアを入れとかないといきてこないのに今回はそれすら入れる余裕がなかったので、そういうのも反省です。

おあとがよろしくないけど長いからとりあえずここらでおわります。お付き合い下さりありがとうございました。礼。

*1:めっちゃざっくりなのでほんとは緻密な検証が必要ですがここではおいておきます

*2:私はH・Hのような信頼できない語り手で話を書きたいと長年思っているのだけど素直な性格が災いしてかまだ実現していない。

atuihiga tudukanakutemo okaradani okiotukete chihoutosiyori (c)Imada_Natsuki