問2.日々我れ

すきなことをかく

鳩おばあちゃん

日誌

さきほど老人介護施設にいる祖母へ会いに行った。今日の祖母は痰が絡んでしゃべれず、母の問いかけにも伝えたいことはあるのにわずかな返事しかできないのだった。
病院からつけるよう渡されているマスクといつもかけているメガネに私は隠れて泣いた。

ここの介護施設はテレビの音量がかなり大きくて、母はテレビを消音にした。NHK吉野弘特集をしていた。

祖母のゴロゴロ音は終始おさまらず、それなのに心配しないで心配しないでとそれだけ聞き取れるように言った。祖母の娘であるわたしの母も祖母の言っていることが聞き取れず泣いた。

車に乗り込むと、母は子供みたいに声を上げて泣きながら「おばあちゃんが、おばあちゃんがハトになってしもうた」とそしてひーひー笑った。そしたら助手席の私にも伝染して、私も声を上げて泣いた。妹だけが呆れおり、母は「おかしいのと悲しいので」と言っては顔を手で覆った。

車が出発してからも、ハトになったおばあちゃんのことを思い出しては笑いながら泣いてしまい、母は「ハト見たら、痰絡んでんのかなって思ってしまいそう」と追い打ちをかけた。

 

 

atuihiga tudukanakutemo okaradani okiotukete chihoutosiyori (c)Imada_Natsuki