問2.日々我れ

すきなことをかく

第9回短歌の目・11月感想(3首選)

tankanome.hateblo.jp

短歌の目・11月、感想書きます!

思うに、今回のお題はむつかしかった。なにが難しかったのか、という感じではあるけど、ポジティブ・ネガティブイメージがあまりついてない言葉が多かったからかなあ。方向性が定めにくかったとは思う。

でも全体としては、いい歌だなあと感じるものがたくさんあって、お題難しい(つд⊂)エーンなんて言ってる場合じゃねぇ!と思っています。

というわけで今月は3首選んでみました。

羽根の降るような速度だ まなうらに流れ続けるエンドロールは

短歌の目9回11月 羽根の降る速度 - hyacinth

端末の[20歳]をなぞるゆび先も出したくない夜ビールを買った

短歌の目11月 投稿します - ビフウ-ウンテン

追われても羽ばたくふりしてまた歩く鳩のような生き方してる

「短歌の目」第9回 11月 - 緋綸子の雑記帳

 選んだ3首は、ある意味そのままが詠まれている歌だと思います。
きっと読む側としてもすんなり読めると思うのですが、一方で読み込もうとすると途端に、これってなにを指しているのだろう、という深さがあります。

たとえば、

羽根の降るような速度だ まなうらに流れ続けるエンドロールは

これは倒置なので、戻してみると

まなうらに流れ続けるエンドロールは羽根の降るような速度だ

平易な文章です。眼の奥でエンドロールがゆっくり積もるように流れる景が見える。
でもここではどういった状況で何のエンドロールが流れているのかまでは踏み込まれていません。
単純に考えるなら映画館で見ていた映画がエンドロールを流している状況かもしれません。ただ「まなうら」、眼の奥、残像を映し出すところといった意味を含む言葉、が、読み手にこの状況を具象から抽象へ連れ去っていく。そういう飛躍がある歌だと思いました。

端末の[20歳]をなぞるゆび先も出したくない夜ビールを買った

コンビニ(というアイテムがすでに現代の悲しみであるのでしょう)、でアルコールを買うと押すように促される年齢確認ボタン。ここには私が「二十歳を基準にカテゴライズされる」だけの存在であることへの悲しみや苛立ちがあり、それに抗いたい私が確かにいるはずです。それでもビールを買う私。このときの私には二重の悲しみが去来しているのか、それともその悲しみさえ押し込めてしまっているのか。読みがわかれるんじゃないかと思いました。

追われても羽ばたくふりしてまた歩く鳩のような生き方してる

「追われても羽ばたくふりしてまた歩く鳩」、おるおる、こういうハト!という部分から一転、直喩を用いて「のような生き方してる」私が現れるとき、急に身に迫ってくるものがあります。そこには情けなさのようなものと、一方で、そのように生きてきた私を全面的に否定するわけでもない多層的なものを含んだ歌だなあと思いました。
しいて言うなら、「生き方してる」だとややくだけていて歌の雰囲気と離れるのでちょっともったいないかもしれません。

とりあえず以上で書いてみましたが、言語作品を言語化するのむっちゃむずい。
なにも言えてないような気しかしません。いつかきちんと言語化するために、精進いたします。

お目汚し失礼いたしました。

atuihiga tudukanakutemo okaradani okiotukete chihoutosiyori (c)Imada_Natsuki